~第壱幕~

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「……瞳が…紅い……?」 修はそこで衝撃を受け、ふと学校で持ちきりだった噂を思い出した。 『日本刀を携えた少年』 阿門は少年に休む暇を与えまいと、乱れるように連撃を繰り出すが、それに対し少年はその全てを難無くかわしている。 しかし自身からは一切手出ししようとせず、阿門が尚も連撃を繰り出し続ける中、その次の瞬間、 「…っ!!」 突然阿門の左腕が宙を舞った。 「…くだらねぇ…」 少年は吐き捨てるようにそう言い放ちながら、ソッと刀の構えを変えた。 阿門は恐怖を感じ、無意識の内に後ろへ数歩下がった。 「鬼殺羅流七式…」 しかしそれに対し少年は、一瞬にして阿門の懐にまで踏み込み、大きく全身を二回転させながら阿門の胸部を深く二度斬り付け、同時にその刀の刀身からは灼熱の業火が噴き出し、それは綺麗に螺旋を描いて天に舞い上がる。 「あ、熱…っ!!」 一方でそれを見ていた修は、さっき感じた暑さの原因はこれだとすぐに理解した。 この少年が携える刀は久神の妖刀であり、炎を操る能力を持っていた。 「鬼焼き…!」 修はその光景に、 「綺麗…!」 無意識にそう思っていた。 しかし、見た目の綺麗さとは裏腹に、阿門は鬼をも焼き殺す業火によりなすすべなく、 「ぐわぁぁぁーー!!」 断末魔の叫び共に全身を焼き尽くされ、いつの間にかそこに阿門の姿はなくなっていた。
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