第一章 誘い

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  『こっくりさんしよー!』 「は?」  それは、駿という一人のオカルト好きな友人の一言から始まった。 「こっくりさんって……皆で十円玉に指を乗せてやる遊びのことか?」  あんなもの、誰かが指を動かしてるに決まっていると思うが。 『半分正解! 正解は“一人こっくりさん”なのだっ!』  駿は笑顔でそう言った。 「……一人?」  一人でするものじゃないだろ。  っていうか、出来ないだろ。 「いや、無理だろ……」  そう思い、俺は冷静に言った。  すると駿は、俺の目の前に人差し指を立てて言った。 『チ、チ、チ、それが出来るんだよ~』 「なんでだよ?」  俺はオカルトな遊びにはあまり興味はないが、何故一人で出来るのかが気になった。 『じゃじゃん! パーソーコーンー!』  駿は某アニメのロボット風に言った。  ――って何も出してねぇじゃん! ……というツッコミはさておき、 「パソコン?」  俺がそう聞くと、駿は楽しそうに笑った。 『まだ分からないのー? パソコンで一人こっくりさんが出来るんだよ!』  
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