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開始時刻は、今日――正確には明日だが――の深夜二時になった。
駿曰く、呼び出しやすい丑三つ時にやるんだとか。
……途中で寝てしまいそうだな。そんなことしたら駿に何て言われるかしれたものではない。
今は丁度、深夜零時。
俺はそろそろ、駿に教えてもらったサイトを開く事にした。
「おお……」
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┃0123456789┃
┃ ___ ┃
┃はい ├─┤ いいえ┃
┃ │ │ ┃
┃わらやまはなたさかあ┃
┃をりゆみひにちしきい┃
┃んるよむふぬつすくう┃
┃゛れ めへねてせけえ┃
┃゜ろ もほのとそこお┃
┗━━━━━━━━━━┛
その画面はシンプルに白い背景に黒い文字で構成されていたが、真ん中の鳥居だけが赤かった。
カーソルには十円玉のイラストが引っ付いている。
妙にリアルだな、と俺は感心してしまった。
まだ暇なのでカーソルをあちこちに動かして遊んでいると、突如携帯が鳴り響いた。
「っ! ……びっくりした」
別に、今からやることに対して神経が過剰に敏感になっているということはない。
カーソルを動かす音しか聞こえなかった静かな夜に、いきなり着信音が鳴り響いたら、誰だってドキッとするだろう。
「もしもし?」
俺は心の中で弁解しながら携帯を取った。
『もしもーし! 二十四時間営業中、宮下さん家の駿君でーすっ!』
「……切るぞ」
『なんでっ!?』
お前が夜中には耐えられない程のハイテンションだからだよ。
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