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時計を見ると、確かに後数分で二時になる。
「じゃあ、やるか」
眠い目をこすって『分かった』と短くメールを返した。
「えっと、まず――?」
┏━━━━━━━━━━┓
┃北の窓を開ける事。 ┃
┃※あれば、南の窓も開┃
┃けておく。 ┃
┗━━━━━━━━━━┛
「北の窓か……」
俺は部屋の北側にある、小さめの窓を少しだけ開けた。梅雨入り前の夜の風は、少し肌寒かった。
「次に線香に火を着けるんだな」
順番通り、線香に火を灯した。
「そして、部屋の明かりを全て消す、っと……」
部屋の電気を消すと、はっきり見えるのは、小さく光る線香と妙に明るく見えるパソコンだけになった。
「雰囲気出てるな……」
俺は最後にもう一度やり方を確認して、鳥居のある画面に戻った。
時計の針は丁度二時――丑三つ時を指していた。
駿に『今からやる』とメールを送り、カーソルを鳥居に合わせた。
「こっくりさん、こっくりさん。おいでになりましたら北の窓からお入り下さい」
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