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と大山大樹は言うとその顔が近くなって、唇に温かいものが触れた。
私はなにがなんだかわからなくてキョトンとしている。すると、
「だからキスのプレゼント」
といけしゃあしゃあと言ってのけた。
私は、誰かに見られてないかとか、キスはロマンチックに…とか、いろいろ考えながら辺りを見回したが、周りは自分たちのことでいっぱいいっぱいらしく、私たちのキスには気づいてなかったみたいだ。
「ば、バカ!何するのよ!」
私は顔を真っ赤にさせながらそう言ったが、本当は嬉しかったというかなんというか、とりあえず胸がいっぱいだった。
「だって、キスのタイミングがわからないから」
大山大樹は拗ねたように唇を尖らせてそう言った。
「ば、バカ…」
私は、それ以上何も言わずに、クリスマスのサービスで出されたケーキを食べたが、味なんか結局わからなかった。
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