ツリーの下

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カフェを出た後、私たちはお互いなんか気まずいというか気恥ずかしいというかなんかそんな感じでお互い目も合わせず、少し距離をとりながら過ごした。   日も殆んど落ちていて、寒さが増していた。私は、大山大樹のマフラーを巻いてるだけで、その他の防寒具などないから、身体を小さく振るわせていた。   すると、大山大樹はそれに気づいたのか私のもとによってきて私の手を握った。 じんわりと、温かさが染みる。私たちは、そのまま何も喋らず、ある一点に向けて歩いていた。   暗さが増すにつれ、イルミネーションがキラキラと輝く。   その中心に、私たちが目指す場所はあった。 ツリーの下。   青白い光を放つツリーに時たま赤や黄、青、緑などカラフルなライトが点灯してロマンチックだ。   私たちがツリーの下にくるころには、沢山のカップルがツリーの輝きに照らされて、幸せそうに笑っていた。
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