冷たい手足

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私と大樹は、イルミネーションの灯が消えるまで、ツリーを見つめていた。   23時、時計台の金が鳴って、ツリーの灯が消えた。 辺りは真っ暗になって、カップルなど一組もいなくなった。   これからどうしようか、等と話しながら、私と大樹はホテル街にいた。ホテルの灯はイルミネーションとは違ってピンクや紫など妖しい雰囲気を放つ。   「本当にいいの?」   大樹が心配気に言う。私は頷いて、お城みたいななりをしたホテルに入っていった。 中はどうなってるのか、少しドキドキしていた。噂に聞く回転ベッドなどあるのだろうか?怪しい玩具が散乱してるのだろうか?   だが、入ってみると普通のホテルと変わらなかった。寧ろ普通のホテルより豪華な気もする。   大樹は、シャワー浴びてくると行ってしまった。 私は何をするでもなくベッドに腰をおろして徐にテレビをつけると、   「あ、ああああっ」   AVだ。 私は咄嗟に消した。   え、エッチってあんなことするんだ…。   私は一瞬だけ見た絡み合う男女の裸体を思い出した。
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