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目が覚めると、心配そうな顔をした父と母がいた。
「お母さ…ん、お父さ…ん」
「あきら!あきら!」
父も母も、涙を流しながら神様ありがとう、神様ありがとうと言っていた。
「いや、これもクリスマスの奇跡だな…寧ろ、大樹のお陰だ…」
大樹…?
「あの子とあんたの血液型が完全一致してくれてよかった…」
大樹…?
大樹は私の幼なじみで恋人…。
「父さんと、母さん、再婚してまたやり直そうと思う。心配ばかりかけて、お前と大樹には寂しい思いをさせて悪かったな」
何を言ってるの?大樹って私の恋人が現実に…?
「大樹、姉さんが目を覚ましたぞ」
父の言葉に病室に入って来たのは、紛れもなく大山大樹だった。
「姉さん!」
嘘…
「心配したんだよ!」
大樹は、弟なんかじゃない…。
「昨日の夜、コンビニに行った帰りに姉さんがトラックに轢かれたって聞いて、父さんの車で来たんだ」
「違う…私は、私は…誰?」
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