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父と母は、私を不憫そうに見つめ、
「お前は冬木瞳、これからは大山瞳だよ」
「ちが…う、大山は大樹…」
「父さんと母さんが離婚してしまって、大樹だけ父さんがひきとったから大樹は大山だけど、また、父さんと母さん、やり直すから、お前はまた大山瞳だよ」
「い…や…」
母さんと、父さんと大樹は顔を見合せて、頭を打ったせいだなとか何とか言って病室を出て行った。
私は、一人になった病室で泣いた。
「違う…大樹は、大樹は…っ」
私が涙を拭おうとした時、薬指にはまった指輪を見つけた。
「ゆ…め…じゃないの?」
いくら見直しても、指輪はそこにあった。
サンタさんは…私の…
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