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ピピピピピピ 朝、いつもと同じようにけたたましく目覚まし時計が鳴り響く。   いや、今日はいつもとは違う。今日は12月25日、クリスマスなのだ。 私は昨日、サンタはいないと知りながらも書いた手紙、それでもほんの少しの可能性にかけて書いた手紙、もしも、私の願いが叶ったのなら、目が覚めるとそこにはきっと…   「あきら、あきら」   私は、私の名前を呼ぶ声に目を覚ました。すると、目の前に男の子の顔があるから驚いて大声をあげてしまった。   「きゃぁぁぁああああっ」   私のけたたましい悲鳴に男の子は耳を塞ぎながら   「いきなりなんだよ」   と迷惑そうにこっちを見ている。   「ちょ、な、わた、え?」 「落ち着け落ち着け、深呼吸してゆっくり話してみろ」   私は男の子に言われるままに深呼吸して心を落ち着けると、   「貴方誰?ここはどこ?私は誰?」
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