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大山大樹の顔がすっと近づいてくる。 私は、キスか?キスなのか?って思いながら顔を真っ赤にして目を閉じた。すると、   「学校遅刻するよ?」 「へ?」 「早くしないと先に行くからな、あきらが一緒に行きたいって言うから迎えに来たんだよ?早くしないと先に行くから」   そう言って、大山大樹は部屋を出て言った。   「一緒に登校…?」   彼氏との登下校、それは私の夢だった。今、正にその夢(いや、この現実こそが夢なのかもしれないけど…)が叶おうとしてるというのに、いつまでもグズグズはしていられない!   私は即座に着替え、転がり落ちる勢いで階段を降りた。   「あら、あきら」   階段を降りると、母親が私の名前を呼んだ。   「何?」 「ご飯は?」 「いらない」 「お弁当は?」 「いら…いるいる!」   私は母親からお弁当を受けとると玄関を飛び出した。   「お待たせ!」   だが、そこには誰もいなかった。   「置いて…いかれちゃった…」
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