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「なんだよ、手袋までは貸さないぜ」   と、大山大樹はソッポを向いた。私は、そんな気はなかったのにな…と思いながら手を擦り合わせてハァ、と白い息で手を温める。すると、大山大樹は私の右手に手袋をはめ、左手を掴むと自分のコートのポケットにインした。   「え」 「仕方ないから一方だけ貸してやる。もう一方は…ポケットで我慢しろ!」   大山大樹は顔を真っ赤にしながら、私とポケットで手を繋いでいた。   私は、そんな大山大樹が可愛くて仕方なかった。このまま、ずっと手を繋いでいたかった。        
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