七福神

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古い木造の小屋に連れていかれた僕。戸を開けようと近づくと、すーっと戸が開く。自動ドアだった。 入ると床に、大きな丸い穴が空いている。深さはさほど無いようにみえる。 七福神が全員小屋に入る。すると、弁財天が急に激しく琵琶を弾く。やさしく、強く、軽快な音色で。他の物はそれに吊られて踊っている。もちろん僕も。しばらくその状態が続くと、穴から渦を巻きながら水が湧いてきた。水がある程度たまってきたら今度は大黒天が打出の小槌をふった。水がクツクツと沸騰しだし、渦が止まった。弁財天は役目が終わると、崩れるようにたおれ、眠ってしまった。毘沙門天はキレている。
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