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ねぇ
キミはまた尋ねてきた。
『どうして、辛いの?』
胸がキリキリと痛んだ。
『色々あって…私には荷が重いみたい。』
うつ向く私の頬にキミの羽が触れた。
『泣かないで』
どうしてそんな事を言うんだろう。
泣いてなんかないのにと思ったけれど、何も答えられなくなった。
本当に涙が出てきてしまったから。
涙がキミの羽を濡らしていく。
優しくキミ
触れる羽は小さいのに
抱かれているように温かくなっていく。
溶けるようだ。
わかった。懐かしさのわけ。
『あの人と似てるんだ』
声に出ていた。
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