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もう時間も残されてないみたい。
あの人のおもいを
この人に伝えてあげよう。
体に少しの痺れを感じながら
僕は亜希に話し始めた。
『僕はね』
『以前、希に飼われていたの』
亜希が混乱していたけど
何か考え込んで
思い出したように呟いた。
『…あの人言ってた。昔鳥を飼っていたって。でも』
『うん、死んだ。病気だったんだ。』
亜希が悲しそうな顔をした。
『どうして、ここに?』
『希が死んでしまって、僕はまた希と一緒にいたんだ。』
死ぬ、という言葉に過剰反応するらしい。
亜希の目から涙が流れた。
無意識なんだろう。
羽根で涙を拭うと、亜希は少し笑って続きを促した。
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