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「…時間か」
場所は戻り、SP学園。
高級感の漂うこの一室に高級感溢れた机を前に、それに相応しい椅子に腰掛けて、一枚の書類を見つめる男がいた。
それは先程、竜王と共にいたこのスーツ姿の男。
名を希幽 光天(キユウ コウテン)。職業はSP学園学園長。
先代学園長、希幽 茉依(キユウ マツイ)の養子にして…30期生の中で『歴代最強』と言われる称号を手にし、伝説を残した男である。
それゆえ、学園を卒業したての二十歳にして学園関係者の反対を得ることなく学園長に就任した。
「…今年は待ちに待った、40期生…私の探しモノも見つかるようだ…」
手に持っていた書類を机に放る。それは…
『安堂 紅夜(アンドウ コウヤ)』
という名の入学希望者の書類だった。
「まったく…楽しみだな…さて、時間かな…遅れるとまたうるさいしな。」
クスッと笑うと、立ち上がり『学園長室』を後にした。
「やっばぃなぁ…もしかしなくても…遅刻??」
学園正門前、
自分の背と同じくらいの大きな剣を背負い、頭に黄色地に緑のチェック模様の入ったバンダナを巻いた少年…十夜(トウヤ)が肩で息をしながら、呟いた。
「だらしないなぁ…ホンマに自分ここの試験受けるつもりか??」
十夜の頭に降る、南方訛りの入った声。
「!!なんだと?!」
「…そんな怒るなや」
十夜が顔を上げれば、クスッと笑う金にオレンジ色が混じった髪を緑のバンダナで綺麗に逆立てている、十夜よりも随分と長身の男。
その男の格好といえば、この時期にはまだ寒い袖の切れたシャツにズボン…それなのに、男は寒いという様子もなく平然としている。
「自分…ここの試験受けるんやろ??」
「まぁ…そうだけど…」
「俺は昂 嵐(コウ アラシ)。よろしくなぁ~」
「は??…俺は十夜。葉陽十夜」
「トーヤか、おもろい名前やな。」
「…つうか、お前何してんの??」
「試験に来るヤツを見とる」
「はぁ??お前こそ…」
「あぁ、俺は…」
嵐が何かを言いかけたその時だった。
度重なる、運命の出会いが果たされるのは…
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