SP学園シリーズfirst①     『問題児』

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嵐が何かを言いかけた、その時。 ダダダダダダッと物凄い足音を立て、砂煙を巻き上げながら走ってくる人影が…そのまま綺麗に、そして見事に十夜に突っ込んできた。   ガシャーンッ   「…ッてぇ…」 「…いてて…!!マジごめん!!大丈夫か?!ちょっと急いでて…」 そう言いながら赤毛の少年は、急いで十夜の上から降りた。 その勢いのまま、高速で十夜に頭を下げる。 「はははっ!!」 「な?!嵐!!てめぇ笑ってんじゃねぇよ!!」 「あー…ごめん、マジ大丈夫か??」 そう言い、赤毛の少年は十夜に手を差し出した。 「ホント…ごめんな~」 十夜(トウヤ)に見事なタックルをかまし、砂煙を巻き上げながら倒れこんできたこの…赤毛の小柄な少年。 「うん、大丈夫…お前は??」 十夜は相手の差し出した手を取り、立ち上がる。 「え?いや、俺は大丈夫。」 「ほんで…お前は誰やねん、チビっこ」 嵐(アラシ)は赤毛の少年を見下ろしながら言う。 「誰がチビっこだ!!俺の名前は安堂 紅夜(アンドウ コウヤ)だ!!その軽そうな頭にしっかり叩き込んどけ、このボケ!!」 …毒舌。 赤毛の毒舌少年紅夜は嵐を見上げながら、物凄い形相で睨みつけた。   その気まずい空気が流れた時だった、 学園からチャイムが鳴ったのは。   「「「ゲ!!」」」   三人はそう声を上げると、特に合わせたわけでもなく揃って駆け出した。             「これより試験受付を開始します…これより…」 チャイムの後にアナウンスが流れる。       「運命の鐘と共に、物語は動きだす…か。」  この先の物語の行方を知るのは、この時はまだ誰もいなかった…
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