夕焼けと珈琲の香り

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学校のチャイムが鳴った。 部活だ遊びだ勉強だとそれぞれ散らばって教室から出ていく生徒達、飛行機雲が浮かんでいる青空、 全てが憂鬱だった。 東 宮妃はとりあえずバックに教科書やノート、愛用のペンケースを中に入れ帰ろうとした。 ぽんぽんっ 手で肩を叩かれた。あぁもう帰らして 「ねぇ!一緒にカラオケ行かない?人数足んなくてさ~」 「・・行かない、別に興味無いし。」 きっぱりと断った。 「そ、そう・・ごめんね!!」 そそくさと今時な女子のクラスメートが外で待っているであろう仲間達の所へ戻っていく。 あと陰で『アイツ調子に乗ってね!?』とか『マジムカつく~』と聞こえた。 まぁどうでもいいけど。 そんな少女達をすっぽかし、宮妃は教室を出る。 空は夕方の色に染まりかけていた
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