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今、あたしの左手薬指はキラリと光ってる。
もちろん、あなたが私にプレゼントしてくれるはずだった指輪。
この指輪を見るたび、あたしの目から涙がこぼれてた。
でも、今は大丈夫だよ。
あなたを思い出しても、指輪を見ても笑顔でいられる。
だって、今は…
一人じゃないから。
「ママ~」
「春斗!こっちこっち。
はい、じゃあここに座って手を合わせて」
「は~い」
「はい、目を閉じてパパにお祈りしましょう」
春也…
春斗大きくなったでしょ。
あなたに目元や口元なんてそっくりだよ。
やんちゃで泣き虫ですぐに走り回って落ち着きがない。
でも、優しくて芯が強くてまっすぐで…
いいとこも悪いとこもあなた譲り。
これからも、1人でこの子が一人前になるまで育てます。
あなたも見守っててね。
あたしと春斗を守ってね。
あなたの側にはすぐに行ってあげられないけど、あなたのことは忘れない。
いつまでもいつまでも…
絶対に。
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