きみがくれたもの

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「なぁ…」 「何?」 「ちょっと言いづらいんだけど……」 「…っだから、何?」 「今度の土曜日一緒に過ごせなくなりそうなんだ…」 「土曜日って…イブじゃん! えっ?なんで?」 「出張が入っちゃって。 それで…」 それからは大喧嘩。 初めてあたしは怒った。 あたしはこのとき大学3年生。あなたは社会人2年目。 3つしか離れてないのにほんとにあたしは子供だった。 今ならしょうがないって思える。でも、このときのあたしはわがままで分からず屋であなたの気持ちなんて考えてなかった。 ほんと子供だよね…。 でも、あなたとの出会いの日は大切にしたかったの。 あたしにとっては奇跡の日で、一緒に…ただ側にいてほしかっただけなの。 結局、その想いは届かなかった。
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