きみがくれたもの

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一人部屋で携帯とにらめっこを続けた。 そして、ようやく覚悟を決め 「もしもし…」 「おう、由希!どした?」 「あのね…」 「ん?何か声聞こえにくいし 暗いよ!何かあった?」 「あたし… あたしね 赤ちゃんができたみたい」 「……っ……」 それからあなたの声は何も聞こえてこなかった。 今どんな顔してるの? どんな気持ちなの? 何考えてるの? 一言でもいいから あなたの声が聞きたい。 しかし、あたしの耳に入ってきたのは携帯が切れた音。 その音があたしの何かを崩していくように あたしを暗闇に引き吊り込んでいく。 何も考えれなくて 何もしたくなくて どうしていけばいいのかわからない。 誰か…あたしを助けて!
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