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目的の場所にはすぐに着いた。
ギイィィ
「ここだよ、入って」
帝がそう言って立ち止まったのは、さっきの所からあまり離れてはいない、体育倉庫。
結構古いらしく、錆び付いた扉は嫌な音をたてる。
俺は幾分『ベタだな……』と感じたが、なんの躊躇(ちゅうちょ)もなくその言葉に従った。
「今日の午後はどこのクラスも体育がないからね。
ここなら誰も来ないよ」
ガシャン
帝が手を離すと、扉は重々しく閉じる。
それほど誰にも聞かれたくないのだろう……この様子では、おそらく防音にもすぐれていそうだ……
電気は備え付けられているため暗くはないが、何しろ窓は上のほうに小さいものが一つあるだけだった。
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