風紀委員長様の追憶‡後‡

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そんな中で 「さっきの事だけど……」 なんの前置きもなく、帝は唐突に話しはじめる。 腕を組み、適当な所へ軽く体重をかけるその姿は、あたかも平然としていた…… ……かに見えた。 「俺……不感症ってやつでねぇ、今までイったこともなければ……正直感じたこともないんだよ。 でも、実は信じてた…… 俺を感じさせてくれる奴が……どこかにいるって…… それで、今はこの状況。 ……クスッ……愚か過ぎて笑っちゃうだろ? 別に我慢しなくていいよ?(ニコッ)」 見ていられなかった…… 無理に見せる笑顔が、何時もではしんじられない、弱々しさを物語る。 俺は無言で帝に近づき、腕を掴んで思い切り引き寄せると…… 帝に『なんだ』と尋ねる暇も与えず、力いっぱい帝を抱きしめた。 .
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