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そんな中で
「さっきの事だけど……」
なんの前置きもなく、帝は唐突に話しはじめる。
腕を組み、適当な所へ軽く体重をかけるその姿は、あたかも平然としていた……
……かに見えた。
「俺……不感症ってやつでねぇ、今までイったこともなければ……正直感じたこともないんだよ。
でも、実は信じてた……
俺を感じさせてくれる奴が……どこかにいるって……
それで、今はこの状況。
……クスッ……愚か過ぎて笑っちゃうだろ?
別に我慢しなくていいよ?(ニコッ)」
見ていられなかった……
無理に見せる笑顔が、何時もではしんじられない、弱々しさを物語る。
俺は無言で帝に近づき、腕を掴んで思い切り引き寄せると……
帝に『なんだ』と尋ねる暇も与えず、力いっぱい帝を抱きしめた。
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