風紀委員長様の追憶‡後‡

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ボタンを外し始めても、帝は少しも抵抗しようとしない。 何もいわない帝に、自分でああ言いながらも気にかかり、俺は途中で手を止めた。 「……抵抗……しないのか?」 頬に手をのばし顔を覗き込めば、その顔を反らされる。 それと同時に帝はボソリと呟いた。 「“嫌なら”抵抗しろって言ったの……緋月じゃないか」 「……帝……」 赤くなった耳が、そのぶっきらぼうな態度が照れ隠しであることを物語る。 きっと、こんな姿を見たのも俺が初めてだろう。 そう思うと、自然に唇の端が吊り上がった。 「フッ……耳……赤いぞ?」 からかうように囁き、その耳を舐める。 「…………ッ……気のせいだよ」 「そうか?」 「…………そう」 顔では平然を装(よそお)うが、照れているのは隠しきれていない。 そんな姿がやけに可愛く思えたが、それを口に出して言うのはやめた。 基本は攻めである以上、そんなことを言われても、嬉しくなどないだろうからな…… .
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