風紀委員長様の追憶‡後‡

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「んん~っ……じっと寝てるフリするのも大変なものだねぇ」 腕を上にあげ、ぐっと伸びをする帝。 その姿は別段いつもと変わりがなく、俺の言ったことを聞いていたとは思えない。 だが、疑いようもなかった。 「いつから……起きていた……?」 平常心を装いながら、俺は抑揚の無い声で尋ねる。 他に聞かねばならないこともあるだろうに、このときの俺には、それを言うのが精一杯だった。 「ん~……緋月が俺の頭を撫でたあたりかな(ニコッ)」 「……そうか」 顔を見ていることも出来ず、目をそらす。 すると 『はぁ』というため息とともに、俺は両手で顔を挟まれ、強制的に帝の方へと向かされた。 「ずっと待ってたっていうのに……緋月、肝腎なことはなかなか言わないから……」 「……待ってた……?」 はっきり言って意味が分らなかった。 いったい俺の……何を待っていたというんだ…… 肝腎なこととはなんなんだ…… 次に発せられる言葉に再び驚かされるとは知る余地も無く、俺はただただ呆然と、真剣な表情の帝を見据えていた。 .
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