風紀委員長様の追憶‡後‡

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―――― 「……き……づき……」 「……っ……」 誰かの声により、俺はハッとして閉じていた目を開いた。 だが、まだ頭は正常に働かず、何も考えることが出来ない。 仕方無しに、頭上に生い茂る木の葉を呆然と眺めていると、再びあの声が響いた。 「緋月!!」 今度ははっきりと、俺の名を呼ぶのがわかる。 ―この声…… ……下……か? その声をたよりに下へと目をやると、そこでは、一人の男がこっちをジッと見据えていた。 風にさらりとなびく、漆黒の長い髪…… 声でわかってはいたが、やはり間違いないようだ。 「……帝……」 その姿をとらえて体を起こすと、俺は直ぐさま木から飛び降りた。 .
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