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「やっぱりここにいた」
「式は?」
「そんなのもう終ったよ。
……ずっと寝てたの?目が赤い……」
帝は俺を見上げながら言うと、俺の目尻に指をはわせる。
それが少しこそばゆく、俺は目を細め、その手をとった。
「寝るつもりはなかったんだがな……」
「つもりはなくても、寝てたんなら一緒じゃないか」
「……フッ……それもそうだ」
僅かに呆れた様子の帝。
それに対し、俺が呑気に微笑を浮かべると、帝は諦めたように『はぁ……』とため息をつく。
そうして次に見せるのは、俺だけが知るあの笑顔……
「ちょうど今日だったね……俺達が初めて会ったの」
その笑顔で切り出した話は、俺がさっき考えていたことと、同じものだった。
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