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「あぁ……さっき、ちょうどその時の夢を見ていた。
……そしたら……」
「そしたら?」
帝は軽く首を傾げて聞き返す。
俺はそんな帝の頭に手をやり、引き寄せると……
そのまま唇を奪った。
「欲しくなった」
「……馬鹿」
唇を離すと同時に呟いた俺に、肩に寄り掛かった帝は小さく悪態をつく。
その言葉があの時と少し似ているなと、クスリとほくそ笑むと、帝も同じことを思ったのか、僅かに肩を震わせた。
そんな状態で再び目があえば、今度はどちらとなく、自然に重なる唇。
それもあの時と同じ……
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