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「やっと明日から冬休みだねぇ。」
「あぁ、早いものだな。」
二人はたわいない話をしながら、何時もの通学路を歩いていた。
今日はイベント本番ということもあり、朝だというのに街はどこか華やかな雰囲気を醸し出していた。
「帰り…どこか行くか?」
そんな街を眺め、日向が微笑みながら梓に視線を向けると、梓はキョトンとした顔をして日向を見上げた。
「でも日向、家のパーティーがあるんじゃ…?」
「別に構わない。
あいつらも、俺なんかに出て来てほしくはないだろ。」
日向の家は、ここらでは1番大きな財閥であった。
そのため、毎年クリスマスにはたくさんの客を招待し、盛大なパーティーを開いているのだが、日向は、やたら世間体を気にする両親をとても嫌っており、かなり仲が悪かった。
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