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学校に着くと、すぐに二人は同じ教室へと向かった。
そして
ガヤガヤ…
ガラッ
「「「っ…………。」」」
ドアを開けると、廊下まで聞こえていた騒ぎ声はピタリと止み、生徒達は二人を訝しげに見て、ヒソヒソと話を始めた。
…二人には、お互い以外に信頼できる友など、一人もいなかったのである。
日向は不良だし、誰にでも無愛想で取っ付きにくく、梓は、数人の生徒からの虐めの対象であることや、そんな日向と共にいることで、誰も近寄ろうとは思わなかった。
梓は、日向から離れればきっと多くの友もできただろう。
日向も、何度も梓にそう言った。
しかし
梓はそうはしなかった。
多くの友より、一人の親友………………梓は、それを選んだのだから…。
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