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「…………。」
男達が去った後、日向は梓の方を向くことなく黙り込んでいた。
なぜなら
「(俺はいったい……………何を……!!!!)」
我にかえった日向には、先ほど男達に言った言葉は間違いなく梓にも聞こえていたのだということが、はっきりわかっていたからである。
そうして少しの間、辺りには何とも言えない静寂が流れた。
しかし
「日向!!」
それを破ったのは、今、日向がもっとも顔を向けづらい、梓本人であった。
梓が日向に声をかけると、日向は一瞬ビクリとしながらも、ゆっくりと梓の方へと体を向けた。
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