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「(そう………とったのか…………ズキッ………っなんだ、今の感じは……………俺はいったい……。)」
梓のその言葉を聞いた瞬間、日向は胸に、針で突かれたような痛みを感じた。
だが、日向にはこの時はまだ、この痛みが何を示すのかなどわかりはしなかった。
そうして、またもや一人で考え込んでいると…
「………が、……うが、………日向!!」
「っ!!!!!!!」
…梓に何度も名を呼ばれてハッとし、梓の顔が目前にあることに目を少しだけ見開いて驚きの色を見せた。
「フフッ、今日ボーっとしすぎだよ。」
「……悪い。」
「そ、そんなに気にしないでよ!!!!」
冗談半分で言った言葉に、本当にすまなさそうに謝られてしまい、梓は慌てて言い返した。
そして
日向が再び口を開こうとした、
その時
「…だが「クスクスクス(パチパチパチ)」っ!?」
誰かが笑いながら手を叩く音が聞こえてきたのだった。
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