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「ここは中々静かでいい……君……騒がしいのはきらいだろ?」
不意に帝は俺を見透かしたかのようにそう尋ねた。
「…何故そう思う?」
「君は何時も一人でいる……いや、いたがる……がいいかな。
君のことを慕っている奴も結構いるだろ?
……あの極道の名家の息子である、最強の不良としてね。
フフッ…まぁ有名人は色々と大変だねぇ。」
正直、この言葉に俺は驚いていた。
まさかこいつが、ここまで俺を知っていたとは思いもしなかったのだから。
―しかしまぁ、家のことは理事長ならば当然…か。
「自分より劣る奴らといても、得もなにもない。
それより、有名なのはお前のほうだろう。
随分と色んな奴の相手をしているそうじゃないか。
なんでも、同じ奴の相手は二度とせず、痕を付けさせることも許さず付けることもしない。
そしてなにより…
イった事すら一度もない……。」
俺はずっと反らしていた視線を移動させ、帝をじっと見据えた。
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