敵か味方か

6/9
前へ
/130ページ
次へ
「彼から聞いた訳じゃないけど…多分彼は人を殺してしまったんだと思うわ…。 そんな事するはずがない!って自分には言い聞かせてたけど…。 彼、少しずつ様子がおかしくなってきたの。おとなしい人だったのに、だんだん偉そうになってきたというか…とにかく人が変わってきてしまったの。 俺は不死身だ!俺を邪魔する事は誰にも出来ない!俺はヴァンパイアなんだ!って… ちょうどその頃から若い女性が行方不明になる事件が続いたの…もしかして、って思ったけど…怖くて聞けなかった…。 私は血は飲んだ事はないわ。 飲みたいともおもわなかったし…」 突然手に入れた力が彼を変えてしまったようだ。 そして彼は消された…。 加藤君は消される事はない。 加藤君の彼氏は、「あの男」が決めたルールを破った。 人間の世界とのバランスを崩す行為をしてしまった。 「あの男」…… かつて私の友だった男だ… 私の友も力に心を奪われた。友は神になろうとした。 人間とヴァンパイアの世界のバランスを保つ神に。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

648人が本棚に入れています
本棚に追加