運命の星。

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〔俺らの他に後四人同じ目的で今星に向かっているのか?!〕スガは言った。シミコーが頷く。タケヒが口を開いた。〔今更だけど…俺の親父は二年前の事件で勇者ヴォリコと共にバケモノと戦い死んだ。この武器は親父の形見だ。きっと二人も武器の持ち主だった人と関係があって、そしてその武器の持ち主は二年前死んだんだろう。〕二人は黙っていたがその通りという雰囲気だった。〔二年前もバケモノが出た時はアーサヒ国で同じように星がスゴく輝いていた。スガが二年前星を見なかったのはきっとまだシームカップ村まで輝きがいくほど魔力が溜まっていなかったからだろ。あの星は危機を知らせるためのものであって決して幸せなものじゃない。しかしあの星は魔力の塊…世界をも支配するくらいのな。アーサヒ国の核と言っていいくらいの存在。しかし星がここまでの輝きを出すという事はそれほどアーサヒ国にとって危機なんだ…魔王の存在は…。そして星を見た俺は修行でアーサヒ国にいなかったため急いだ。その途中同じ目的のシミコーと偶然会ったんだ。そしてスガ 大と出会った。全ては偶然だが歯車はもう回り始めている。俺らは今アーサヒ国にいち早く行って星を守らなきゃならないんだ…!!〕みんながきっと同じ事を思ったんだろう。四人はこの小説始まって以来初めて凛々しく見えた。〔そうと決まれば話しは早い!早くアーサヒ国に行くぞ!!〕大がまた空気を読まず出過ぎだした。三人は無視をするように歩き出す。大も渋々ついていく。星の事を知り、みんなの過去を知り、スガの心が今ようやく全てを理解した。目的地はアーサヒ国。そして残りの四人を仲間にし、星を守り魔王を倒し平和な未来を作る。旅が始まってから初めてスガは三人と同じ気持ちになった。思えば暇だからと星を目指して旅に出たスガ。そこからもうスガの勇者としての運命は動き出していたのかもしれない。これから始まる運命も含めて…。そして今…ようやく四人の偶然なる戦士の気持ちは一つへ固まった。いざアーサヒ国へ。
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