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『《どうしますか?》』
声は再び問い掛ける。
その声に対して漲は何も答えず、上の方をあえぎ見るだけ。
しかし、漲が右足を前に出し、前に進んだことでその答えは確定した。
『わかりました』
《あなたの道が開けます》
『あなたに闇の絶望を』
《あなたに光の恩寵を》
『《あなたに、あなたの生きる道を…》』
漲の中に響く声と目の前の白い光が徐々に大きくなる。
あまりの眩しさに強く瞼を閉じる漲。
二つの声と強い光が脳の奥まで届いたと思った途端、漲の頭は、いや、全ては真っ白な光に包まれ、その意識も光の中へと溶けるように消えていった―――――
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