王と子供と改造者

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かつかつ、という規則正しい足音が吹き抜け状の広い廊下に響き渡る。 少年と呼ぶには大人びているが、青年と呼ぶにはまだ少々早い年の男が一枚の紙切れを持って、とある部屋に向かっていた。 その足取りはとても荒々しく、すれ違う人々が思わず端に避けてしまうほど。 実際自分の目蓋にかかる髪にうざいんだよと声を張り上げる彼に萎縮してしまう者が数人いた。 ………、彼のこめかみ辺りに四角い怒りマークが浮かんでいるのは記述する迄もないだろう………。 やがて忙しなく揺れ動いていた革製のロングコートと同素材のブーツ、後ろだけ長く結ばれた髪がぴたりと止まり、男は目の前にあるドアをしばし見つめる。 そして、ドアを蹴破って怒鳴りこんでやりたい衝動をじっと堪えて2、3回深呼吸し、目の前にあるドアノブを回した。 ―――キイ………
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