腕とオタクと異世界と

6/14
前へ
/51ページ
次へ
とりあえず今の段階で漲に考えられるのは 『ロボット』 『悪趣味なパーツ』 『人』 の3つ。 まず一番ありえないのは前者。 ア●モでさえ角張った機械的な指であって、指先美人を思わせる細長い指なんて持たないし、そもそも目の前の指は機能的ではない。 そして次の選択肢。これが自分の考え得る可能性で一番妥当。かつ希望。 マニア受け目的の怪しい店にはたまに置いてありそうな『リアルな腕』。 何に使うかは理解しがたいのだが、あそこになら一概に無いとは言い切れない。 この電気屋の趣味か、はたまた客の忘れ物か、どちらにせよそれは漲を驚かせ、また漲と同じ反応をした人達にとっては紛らわしい以外の何物でもない。 そして残る一つ。これは先にも述べたが、もしそれだったとしたら冗談で済むことではない。 行く末は全国ネット。 漲はモザイクのかかった自分が、変声器を通した声で話す姿を想像してしまい、一筋の汗を流す
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加