1/3
9293人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ

旅行から帰ってきて、1ヶ月ほど経った7月のある日のこと。 親父はとうとう歩けなくなり、移動は車椅子を使うようになっていた。 肌は少し黄色くなり、頬はだんだんと痩けていった。 その日は太陽の光が燦々と降り注ぐ暑い日だった。 母さんが家族写真を撮ろうと言い出した。 俺は写真と言うものが嫌いだった。 だが、この時は素直に写真を撮ろうと思った。 なぜかはわからないが素直に撮ろうと思えたのだ。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!