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夏
旅行から帰ってきて、1ヶ月ほど経った7月のある日のこと。
親父はとうとう歩けなくなり、移動は車椅子を使うようになっていた。
肌は少し黄色くなり、頬はだんだんと痩けていった。
その日は太陽の光が燦々と降り注ぐ暑い日だった。
母さんが家族写真を撮ろうと言い出した。
俺は写真と言うものが嫌いだった。
だが、この時は素直に写真を撮ろうと思った。
なぜかはわからないが素直に撮ろうと思えたのだ。
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