遺言

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  過ぎ行くは夏の憧憬 去り行くは秋の幼さ 過去を嘆きつつ 歩いて行こう 過去を惜しむとも 流れるる河は戻らない この悲しみを背負いながら 人知れず慟哭すれば 人知れず悔やむれば 明日を一人 歩いて行こう 苦しみは人の弱さ 許せぬのは心の狭さ 今 愉しみは愚かで 希望は虚しい 失われる安らぎと 損なわれる無邪気さは 晩秋の宵闇に似て 儚く、切ない 掌からこぼれる幸せに 歯軋りしながら 多くの悔恨を刻みつけ そして・・・・ 我、西へと逝かんimage=107003982.jpg
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