プロローグ

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プロローグ

「寒いな…孝彦よ、ホットカーペットだけじゃ、絶対に寒いって。」 「相変わらず注文の多い奴だな。」 わざとらしく震える友人の言葉を、藤堂孝彦は見ないふりをした。 「なら、お年玉で買ったら?」 篠山祥太は、孝彦に文句をいい続ける。 「嫌だよ。他に買いたいものがある。」 二学期が終わり、世間では年越しの準備で、どこも大忙しである。二学期中は、体育祭や文化祭があり、ゆっくりする時がなかった。 「しかしなぁ、大晦日に男二人で、戦争だなんて…寂しいね。」 祥太が言う戦争とは、三国志を題材にしたカードゲームの事である。 二人きりで、このカードゲームを開始すると、その戦場に飛ばされてしまう。 今までに二度戦い、成績は一勝一敗である。 「さて、今回は勉強してきたから、今までみたいに、作戦で遅れはとらないよ。」 「おいおい…最近真面目に何かを読んでると思ってたら。」 孝彦は呆れた表情で、祥太を見つめた。 「んで、今回は誰になさる?」 祥太が聞いてきた。 「そうだな…今回は、南蛮王・孟獲を使うかな。」 「孟獲って事は、象兵だな。」 孝彦は笑いながら頷いた。 「象兵は騎兵と勝手が違うが、騎兵以上の戦果を期待してるよ。」
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