序章~美を司るもの~

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「兄貴!飯だ!起きろコラ!」             弟の充(ミツル)が叫ぶ。             「ん~、あと5分だけ…」                         これがこの物語の主人公、神谷光輝(カミヤコウキ)公立高校に通う高校3年生。光輝は布団のなかでモゾモゾとする。                                     「うっせぃ!早く起きろ!遅刻しちゃうだろ!」                         光輝をバシバシと叩き、無理矢理起こす。                                     「痛い!痛い!やめろ、バ、この、コラ、ちょ…」             小さく抵抗する光輝に対し充はやめる気配はない。                         「こ、の!バカ兄貴!さっっさと起きろ!」                         ほんとに起こす気はあるのか攻撃の手をやめない。だが光輝もそろそろ我慢できず                                     「ターーイム!!」                         ガバッと布団を押し退け立ち上がる。その勢いで光輝にのしかかり気味になっていた充が後ろに倒れそうになりながら下がる。
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