序章~美を司るもの~

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「12歳の誕生日おめでとう!!」             寿司を食べおわったところで光輝はケーキを出して言った。             「おぉ~!ありがとう兄貴」             ケーキをみて充は目を輝かせている。             「どうだ、美味いか?」             黙々とケーキを食べる充をみながら光輝は言った。             「うん、かなりうめぇ!」             1ホールあったケーキがすでに半分なくなりかけている。             「そうかそうか、どうだ久しぶりに俺が兄貴って実感しただろ?」             「うん、まぁ本当に久しぶりだけどね」             充は食べる手をやすめることなくしゃべる。             「そうか……じゃあ…………そろそろ俺にも食わせろぉぉ!!」             光輝は笑顔から一変しマジ顔で叫んだ。             「ブッ!」             充は驚き吹いてしまった。             「それを買うのに隣町の店に一ヵ月前から予約して、昨日2時間も並んで買ったんだ、そのせいで寝不足なんだよ。だから俺にも食わせろぉぉ!!」             光輝は昨日の夜一人でケーキ屋に行き、2時間待って買った後終電ギリギリで帰ってきたのだ。(そのことを充は知らなかった)             「うるせぇ!クソ兄貴!久しく兄貴らしくなったと思ったら、最後はこれか!やらねぇ、これは俺が食うんだ!」             充もそのキレイな顔にクリームを付けたまま反論する。             「うわぁぁ!バカ、やめろ!そんなに一気に食うなこのクソ充!俺の分よこせ!」             光輝は盛大にフォークを空振りする。 それでもなお充は楽しそうに、ケーキを頬張る。 そして最後の一口になった……             「ハァ…ハァ…たの、頼む…充…いや…充様…最後の…一口くらい…」 激しい攻防戦のせいで息が切れている光輝。             「フフ、仕方ないなぁ」 それに比べ平然とした顔でテーブルのうえに立ちケーキを持つ充。             「はい、あーーー」             パクッ!
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