始まり

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この記憶は俺にとって忘れることができないそんな記憶になった。 始まりは俺が、朝目覚めた時から始まっていたのかもしれない。 4月10日 この日にこの記憶が俺の頭に刻みこまれて行く。 朝俺はいつもどうり5時に起きて朝のランニングに出かけて、シャワーを浴びて、ご飯を食べて、歯を磨き制服に着替えていつものように学校に出かけて行った。 俺の親はいなく祖母父と一緒に暮らしていた。名前は加藤晴矢。高校2年生。普通に普通の高校生をやっていた。 俺はいつも友達の畑田圭介と一緒学校に行く。圭介は小学からずっと一緒だったし、同じ部活だったから気も合っていた。 『おはよう』 圭介はいつも挨拶をしてくれる真面目なヤツで、顔も良く、スポーツも勉強もできる、万能型のタイプの人間だった。 でも人間には必ずと言っていいほど弱点があるものだ。 圭介は聴覚障害を持っていた。補聴器を持っていたから生活にはけして悪い影響はないと本人は言っていた。 でも俺は知っていた。小学から今まで圭介の耳はだんだん悪くなっていた。 『あ~おはよう😃』 俺は圭介が分かりやすいようにはっきりした言葉でいつも大きく話をしている。 圭介が耳が悪くなった原因は、生まれたときから障害を抱えていた。 俺時々いつか俺の声が伝わらなくなるのではないかと不安だった… でも圭介はそんなそぶりや悩んだ顔や言葉は絶対に言わなかった。 学校では圭介は友達も多いし、障害について冷やかす人間はいなかったから俺は安心してはいた。 でも、圭介にはたぶん1つだけ悩みがあることを俺は知っている。それはサッカーをする時のことで、サッカーは実際、目や耳や感覚で、するスポーツでもあったから耳に障害を持った圭介にとってとても辛かったんだと思う。でもあいつのサッカーは正直びっくりするほど上手かった。 あいつのポジションは監督にキーパーをしろと言われていたからあいつはキーパーをするしかなかった。 フィールドプレイヤーでも上手くできると俺は思っていたが、圭介は監督に文句も言わず、ただひたすらキーパーの練習を頑張っていた。監督は耳が悪くてもサッカーできるようにとあいつのことを考えキーパーの道を進めた。 キーパーは目で見たものを的確に判断しそれに反応するまでのスピードが必要だった。 圭介はもちろんそれを完璧にこなしていた。
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