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圭介はいつも真剣だった。
だから上手かったんだ。
俺は負けず嫌いだったから、常に圭介にはライバル意識を持っていた。だからだったのか俺はいつの間にかレギュラーになっていた。俺にとって先輩と試合に出れることは、すごくうれしいことだった。
でも圭介は先輩と試合に出るのが少し嫌だったらしい。
あいつは明るいし優しいヤツだったけど先輩は怖かったのかもしれない。
それに1年の時3年の先輩をさしおいて試合に出てしまったのがあいつにはプレッシャーのように感じていたらしい。
でも圭介にレギュラーを取られた先輩は気にするなって言ってはくれてたし、優しい先輩だったから俺は気にせずプレーしたと思う。だけど圭介は罪悪感を持ってプレーしていた。
だから先生になんでちゃんとプレーしない⁉と、怒られることもあった。
3年生が抜けてキーパーは圭介だけになったから俺としては、これで集中してプレーできると思っていたが、圭介はそんなに単純じゃなかった。
圭介はさらに上手くなっていたが、プレーにちょっと油断があったりしていた。
俺はそんな圭介に
『5月になれば1年が入ってくるけどそんなプレーじゃ笑われてしまうぞ』。
『うんそうだな…』
あいつの心は固くふさがっていた。
『レギュラー取られないように頑張ろうぜ?』
『うんそうだな』
少しは癒しになったかは、さだかではなかった。
6月には地区大会があったから俺たちは調整に入っていた。
走り込みや、試合形式の練習、ポジションごとの練習、どこの高校も同じことをしてくることは監督もわかっていた。
だから監督は今年から特別なメニューを入れた。
それはポジションの再編成だった。これは俺も圭介もチャンスだった。圭介はさすがにキーパーはきつかったらしい。
この練習はポジションを一度違うポジションに変えてそのポジションを上手くできるかと言った練習で元のポジションより上手くできるならそれを換えることだった。初めてするポジションとかもあって、そのポジションをしていた人の気持ちもわかるしそれにその新しいポジションをすることでいろいろな能力が試された。
一週間に監督は全てのポジションをみんなにさせた。
それでポジションが変わった人もいた。俺はディフェンスからオフェンスに変わることができた。これで俺の好きなポジションができるようになった。
俺は圭介と一緒に得点を決めたかったから圭介もそれを望んでいた。
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