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「推薦だろ。俺は三番。大和は四番でリリーフ。好太はエース。不河は県のベスト4にまでなったチームだし」
野田の話を聞いていると、確かにそうかもしれないと思う。
大和もそうであってほしいと思っている。
ここで野球の名門高に推薦で入れたら、不河中の野球部員としては快挙だ。
「甘いなー。野田はコーヒーみたいな顔してるくせに、頭の中はカルピスの原液だな!」
好太は鼻で笑った。
「どういう意味だ?」
「俺達の役割だけを聞けばそう思うかも知れないけど、内容がイマイチだろ、内容が。まず大和。球速はかなりのもんだけど、フォアボール・ワイルドピッチのせいで防御率は四点代!」
大和は苦笑いをしながら後頭部をかくしかなかった。
残念なことに、否定をする余地がない。
「次に野田! 打率・打点はそこそこ稼いだ。けれども、ホームラン0本と併殺が多い」
野田は蛙を潰したような声を出した。
「そして、俺。防御率は何とか二点代。だけれども、登板した試合の平均投球回数がわずか四回。こりゃ、中継ぎエースの座を大和から奪わなきゃなんねえな!」
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