1、あのマウンド

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夏の少し湿り気を帯びた空気の中、志田大和はマウンドに行った。 マウンドには他の内野手も集まり、皆一応に不安そうな顔をしている。 「好太、行けるか?」 キャッチャーの中谷が口にミットを当てながら、ピッチャーの好太に聞いた。 「こんなクソ暑いと、疲れも普通じゃねーな!」 好太はキャップを外し、額の汗をアンダーシャツで拭った。 この暑さでのピッチングは普段の倍以上に体力を消耗する。 スタミナの無い好太にとって、これ以上は無理かもしれない。 「代わるか?」 中谷が聞いた。
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