10、Ready up

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そしてもう一人。 大和の能力が恐ろしい。 大和は日が経つにつれて、その引き出しの多さを徐々に見せつけてくる。 最初は唯の長距離ヒッターかと思っていたが、実際は剛の打撃も柔の打撃も出来るマルチなヒッターだった。 始めたばかりの捕手も、日に日に上手くなっているのが見て取れる。 磯島と大和。 敵ならこんなにめんどくさい相手もそうそういないが、チームメイトならこんなに頼もしいことはない。 岩崎は外野を見た。 一際目立っている、戸部の守備。 磯島にパワーと肩で劣っているが、足とミート力なら戸部の方が上だろう。 岩崎が思うに、戸部は本来ならセンターよりもセカンドの方が向いているだろう。 だが、南の肩を考えると、そうも言っていられない。 「岩崎! よそ見するな!」 「あ、はい~」 岩崎は構えた。 ボールがライナーで飛ぶ。 ちょっと岩崎には厳し過ぎる。 ボールに触れなかった岩崎の代わりに磯島が逆シングルで取った。 そのボールを投げる。 「ホント、青山堂は面白いな~」 「そうだね!」 磯島は落ちた帽子を広い上げながら答えた。
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