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練習が終わって皆がミーティングの為に集まって来た。
大和は野田、好太と一緒に後ろの方へ並ぶ。
全員が集まり終わると、美鈴が口を開いた。
「練習お疲れ様。皆も何人かは気付いていると思うけど、明日はトーナメントの抽選会があります」
大和は驚いて好太と野田を見た。
二人は全く動じない。
どうやら、すっかり忘れていたのは大和だけだったようだ。
ついに始まる甲子園予選。
だが、今の大和にはイマイチ実感がわかなかった。
毎日毎日が新しいことへの挑戦で、先の事を考える暇など無かったから。
そして、甲子園という舞台を本気で意識したことが無かったため。
「それで、明日の抽選会に二人連れていこうと思うのだけど、行きたい人いる?」
急に周りが囁き声で煩くなった。
そして、気がつくと隣にいた野田が高々と手を挙げている。
「野田君行きたいの?」
「いえ、俺じゃないです。好太を連れていってください」
部員全員の目が好太に注がれる。
好太は全くの無警戒だったので、のんきにあくびしているところを全員に見られた。
「どうして?」
「好太はくじ運が良いんです」
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