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「そうなの?」
美鈴が好太に聞く。
好太は額を掻きながら首を縦に振った。
「それは間違いないっす」
「昔、町内の福引きで、ハワイ旅行当ててたね」
大和も口を出す。
好太のくじ運の強さは昔から有名で、野球部の抽選会には必ず出席していた。
そして、必ず良い所に入る。
「じゃ、好太君は決定ね。あと一人、誰かいる?」
「好太が行くなら、大和で良いんじゃないか~?」
岩崎が真面目そうな顔をしながら言った。
みんなの目が今度は大和に注がれ、大和はぼーっとしている所を見られる。
「じゃ、大和君良い?」
「俺は良いんですけど、皆は良いのかな……?」
「皆良い?」
美鈴がきいたところ、誰もダメと言う人はいなかった。
「じゃ、決まり。明日はお昼を食べたら直ぐに出発するから、朝のうちに担任の先生に言ってね」
大和と好太は頷いた。
その後、いつも通りにミーティングを終わらせ、大和達は家路につく。
帰りの電車の中で、好太は磯島と野田にどこの高校と当たりたいか聞かされていた。
「まず、第一、第二シードのパックはやめてくれ」
今大会、第一シードは湯島で、第二シードは音平学院だ。
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